いま、日本で「終活」が必要な理由は?

いま、終活が空前のブーム 

「終活」という言葉は、2009年に週刊誌が作った造語だといわれています。2012年には新語・流行語大賞にもノミネートされ、いまではすっかり定着したようです。実際、終活をテーマとしたフェアが各地で行われていますし、大型書店に行けば終活コーナーがあり、介護、相続、供養など、関連本が多く並んでいます。テレビや雑誌で特集されることも多く、終活にまつわるサービスも続々と誕生。いま、日本は空前の終活ブームといえるかもしれません。

背景には、少子高齢化のほかに家族のあり方や死生観の変化も

ではなぜ、現代の日本でこれほどまでに終活が注目を集めているのでしょうか? 理由として考えられるのが、社会構造と生活環境の変化です。これまで、年老いた親の介護も、看取りも、死後の供養も、家族とその子孫が担うべきだと考えられてきました。しかし、少子高齢化により、高齢者の支え手は減る一方。「平成26年版高齢社会白書」によれば、平成26年(2014年)における、65歳以上の高齢者のいる世帯は全体の46.7%。そのうちの半数が、高齢の夫婦のみの世帯、あるいは単独世帯でした。

「老老介護」に代表されるような高齢者が高齢者を支えるケースや、高齢の親よりも子が先立つケースは、今後ますます増加すると推測されています。もはや、家族や子孫だけでは、高齢になった親を支えきれなくなっているのです。このような状況から、「家族や子孫に迷惑をかけたくない」と終活を始める人が増えていると考えられます。

お葬式や供養に対しての意識の変化も、終活ブームの理由の1つといえそうです。「お葬式の参列者は限定しない」「死後は先祖代々の墓に入る」というこれまでのスタイルから、家族と親しい知人だけで故人を見送る「家族葬」や、お墓ではなく海や山などに遺骨(または遺灰)を還す「自然葬」を希望する人が増えています。選択肢が増え、生き方も、逝き方も自分らしいスタイルを選べるようになったいま、終活に取り組む人が急増しているのは当然といえるかもしれません。

自分はもちろん、周囲の人たちも納得できる終活を

終活で何をするかは人によってさまざまです。ただ、終活は自分ひとりでは完結できません。特に死後のことは、家族、子孫、知人などの手を借りる必要があります。加えて、終活は、自分さえ納得していればいい、というものでもありません。たとえば、お葬式や供養には、遺された人たちの喪失感や悲しみを癒すという働きもあります。自分は簡素な葬儀を望んでいても、家族はそうではないかもしれないのです。ぜひ、自分も、そして周囲の人たちも納得できる終活を心がけてください。

まとめ

少子高齢化が進み、家族のあり方も変わりつつある現代、「親が老いたら、子が面倒を見るのは当たり前」「葬式の手配や墓守は遺族の役目」という考えにも変化が生じています。そんななか、「生き方も逝き方も、最後まで自分らしくありたい」と終活が流行るのは当然といえるかもしれません。いずれにしても、終活は、自分も、そして遺される人たちも納得できるようなものにしましょう。