匠の技

季節はめぐり、自然豊かな天が瀬の山々も、遅ればせながら赤や黄色に色づき、晩秋の風情が感じられる。 色濃く染まった紅葉が、雲間からの冬の斜陽に映えて美しい。 子供の頃に、紅葉した山々の風景を絵にしたことが、よみがえってくる。 その頃の絵は、美しさはあったが匠の技とは程遠いものであったと記憶する。

園内のケヤキやサクラもすっかり葉を落とし、朝のしんとした冷たい空気に触れて寒そう。 そして、金色に染まった芝生の、なだらかな丘陵地には洋風の芝生墓地が広がり、色とりどりの墓石が立ち並ぶ。
墓石には、家の想いがこめられた言葉や花が、石の素材を活かし洗練された技法で、美しく丹念に刻印され、匠の技が伝わってくる。

最近は、家族感や死生観の多様化で、当園でも「家や血縁に縛られない墓」の人気が高いが、家族で入れるお墓も見直して、来年のお彼岸やお盆には先祖をしのび、家族の絆をつくる機会を作って欲しいものです。 柔らかな初冬の日差しをうけ、深まりゆく秋の中で、家族墓にも多くの人が、線香や花などを手向けていました。